「もしも『友梨ちゃん、今すぐ病院に来て!!』




突然の電話に息を切らせて病室に入ると達也が機械に繋がれていた




「ああ、友梨?来ないでよかったのに」



「来るに決まってんでしょバカ」




弱々しく笑いかけてくる達也に返事をしながら椅子に座る



そっと手を握ると少しだけ握り返してきた




「なあ先生、俺もう死ぬよな」



「達也!!何てこと言うの!!」




達也の問いかけにおばさんがしかりつけたけど達也は「少し黙ってて」と言って先生を見た




「…そうだな、もうそんなにはもたないだろう」




先生が答えると達也は一瞬手に力を入れた




「じゃあ、最後のわがまま、聞いてくれますか?」



「…内容による」



「そんなんじゃだめです
聞いてくれるって約束してください」




にらむように見つめる達也に先生はため息をついて答えた




「わかった、君の命に関わること以外ならいい」




達也は緩くあたしの手を握ると"わがまま"を言った




「友梨以外は部屋から出てってください」