「達也ー」




翌日



達也の部屋のドアを開けると達也はテレビを見ながらケラケラ笑っていた




「おー友梨、ちょうどよかった
窓開けてくんね?」




あたしに気付いて笑いかけてくる達也に心が揺れる



それを悟られないようにあたしは窓に近付きながら何気なく答えた




「外まだ寒いよ?」



「いんだよ、どーせ俺はもう外に出られないんだからせめて外を感じたいんだ」




昨日達也が起きてからはじめて聞く諦めの言葉にあたしは思わず振り向いた



達也は寂しそうな顔で窓の外を眺めていた




「言ったじゃん?俺もうすぐ死ぬって」




あたしの視線に気付くと達也は寂しそうな顔のまま笑ってまたすぐに窓の外を見た



あたしは達也に近付くと椅子ではなくベッドに座った




「友梨?」



「達也、約束、覚えてる?」