「 キャー♡やっぱ涼先輩格好いい♡ 」

麻有がグランドを見て言う。
いつものことだ。

「 でも麻有は智也君がいるじゃん! 」

「 えー、でも智也は智也!涼先輩は涼先輩なんですー! 」

勝手な人だなあ。智也君の気持ちも考えなよ!と言おうとしたが言ってもまた言われるだけなのが嫌でやめた。

「 瑠々は?涼先輩の事格好いいと思わないの? 」

「 思うけどさー。 」

一ミリも思ったことがない。
めんどくさいから私はいつもこう答えるだけ。

私にはすきなひとがいる。
隣のクラスの高野光くん。

かっこよくて誠実でスポーツ万能。
女の子には人気だけど遊んでる感じは全くない。優しい光君に片思い中なんだもん。

だから先輩には一ミリも興味がない。

ずっと。光くんの片思いで良い。
そう思ってた。