「名前は?触ってもいい?」


えっ……名前って……しかも、さささささ触っても、さわっても、サワッテモ………


ああ……神様、お許しください。


穂村 亜紀
17歳と4ヶ月


これまで純潔をその日までと、守っておりましたが、些か当初の予定よりは早いものの


ついにこの日が来たようです!


さぁ、カモォーン
田村くんよ。


思う存分、私の体に触れるが良い。


さぁ、さぁ、お好きになさってぇ〜










「ほら、こいつの名前は?人懐っこいな、この犬。ほぉら、ヨシヨシヨシヨシ……」


我が愛するバカ犬ロッキーよ。


初対面相手にそうも簡単に腹を見せるでない。


ロッキーは田村くんの手によりお腹を撫でられ骨抜きにされていた。


「ロッキー…だけど。」


BIGサイズのチワワと戯れる田村くんに力なく言うと


「ふうん。ロッキーか。
ロッキー、お前、いい子だなぁ。」


と、更にご機嫌でナデナデする田村くん。







いや、全然、良い子じゃねぇし。
気に入らないことあるとカーテンに直ぐオシッコかけるし、お風呂嫌いで入れる時、マジ噛みされて流血毎回するし……。


「名前……なんだっけ?」










いや、田村くん。
今、言ったばかりだよね?
それとも、発音悪かったかしら?
田村くん、英語の成績良いもんね。
ロォッキィーとでも言えばいいかしら?


つか、ロッキーって今、呼んでたじゃん。


「お前だよ、お前の名前。」













あっ……私っすか?