「あのー…」
「ん?」
さっきから着替える様子のない晴ちゃん。
時刻はもうとっくに一時間目が始まっている頃。
「ふつーにもう遅刻なんですけど」
「だな」
そう言いながらパラっと漫画をめくる。
「えーと…
学校行かないの?」
初めて晴ちゃんに無視されてしまった。
「ねぇ晴ちゃん」
晴ちゃんの顔を覗き込もうとしたとき、ガッチリと目が合ってしまった。
「学校行きたい?」
なにも読み取れない無愛想な表情で質問返しをされた。
「それとも…
今日は俺と過ごしますか?」
「…え??!」
質問するだけして、晴ちゃんはまた目線を漫画に落としてしまった。
「え、と…」
「っつっても母親がなんかネットで頼んだやつ受け取ってって言われてるから12時まで出れないんだけどね」
「あ、うん…」
そんな細かい説明されても、頭の中は整理がつかなかった。
「どうする?」