「水木友里ちゃんだよね?」


「そうですけど…」


「アドレス教えてください!」



はぁ…
これは何回目だろう。

学校についてから、
ずーっとコレ。

クラス表を見に行きたいのに
辿り着くまでに呼び止められるから
全然見に行けない。


心の中でブツブツ言いながらも
笑顔で対応する私。




ようやく見に行けた時には
もう入学式の時間になっていた。

一組かぁ…
友達、出来るかな…
同じ中学の子は一人もいない。

…いても、一緒なんだけどね。


私は昔から女友達がいない。
だからって男友達がいるって訳でもないんだけど。

『自分が可愛いからって調子のってる』

『男に色目使いやがって』


『ぶりっこ』



など、ありもないことを言われて
友達なんか出来ることはなかった。

気にしないフリをしてきたけど、
実は傷ついてる。

だから、高校ではちゃんと友達がほしい。

私だって学校帰りに友達と寄り道したり
休みの日に遊びに行ったり…
そんな普通のことがしたい。



それが、小さな夢だったりする。
普通の人からしたら笑える夢かもしれないけど。