「へ……?」


頬杖をついてバカにしたような笑みを浮かべる目の前のその人は、低い声で続けた


「人それぞれだから別にいいけど、あんたは好きだと思ってるやつのことさえ信じられないんだ?」


彼の刃物のような鋭利な言葉は、わたしの心臓をぐさり、と突き刺す


「ちゃんと話もしてないくせに決めつけるな。話をしてそれでも信じられなかったらどんだけ逃げてもいいけど」


今までの態度が信じられないくらい、彼は優しい声色で、表情で、わたしを叱ってくれた。


「……ありがとう、ございます」


ポツン、と小さな声で伝えたお礼に、一瞬驚いた顔をしたけど、


彼はぶっきらぼうに別に、と呟いた