岬side



「二人を探しに行く?!無茶よ!今、先生が探してるから待って…」




「待てません。本当に心配なんです!!」




いつも感情を表に出さない俺だが…



そんなこと気にしてられる場合じゃなかった。




とにかく一刻も早く槙谷たちを…







「行け。」




そう短く言うのは…




あの生徒指導の先生だった。




「先生…」




「俺もすごく心配だ。…天気も怪しくなってきたからな。」





…確かにそうだ。




さっきまで晴れていたのに…今はすっかり雲がかかってる。




山の天気は崩れやすいというのは案外当たってるらしい。





「人手は多いほうがいい。…行け。二人とも。」




「ありがとうございます!」




俺は先生に頭を下げると高山と共に山を駆け上がった。














「はぁはぁ…へぇ…山ってこんなに急なんだねぇ…?」




「はぁ…ここが特殊なだけだろ…っ」




しばらく行くと坂が急になってきて駆け上がれない状態になった。





「でも…早くしねぇとっ…」




俺は必死になって足を動かす。





高山もなんだかんだ言ってちゃんとついてきていた。








…そんなときだった。





雨が…大粒の雨が俺の頬に当たったのは。




「くそっ…!!」




「あーあ…雨降ってきちゃった。」




もう数分もしないうちにすっかりどしゃぶりだ。




気温も一気に下がった気がする。





「…早く行かないと二人の体、冷え切っちゃうかもね?」





そんな高山の言葉はあながち間違ってない。





「意地でも見つけるぞ…!!」




俺は改めて意気込んだ。