岬side



「岬君も意外と度胸あるよね~」




「奈留に告白したんでしょ~?僕の彼女だって勘違いしてたのにー」





「やられちゃったなぁ~岬君の勝ちだねぇ。」






…誰か隣のこいつの口を縫ってくれ。









「さっきからうるせぇ…あっち行け。うっとうしい。」




「うわぁ~ひどい~」





「つーか…なんでお前が俺と一緒の体験活動なんだよ?!」




そう。ここは俺の選んだ川くだりの集合場所。





そこに高山がいるということは。





「んーちょっと覗き見しちゃってさ?」




と悪びれもなく言う高山に少し腹を立たせる。





「ああそうか。まぁいいから俺には関わるな。」





一緒の体験活動ってだけでも虫唾が走るのに…




一緒に行動するなんて冗談じゃない。





「えー僕、岬君と行動するつもりだけど?」





「なっ…ふざけるな!全力で断る!」




「そんなこと言わないでよ~?岬君?」




「嫌なもんは嫌だ!」




俺がそう拒絶すると高山はわざとらしくため息をつき






「もう~奈留と体験活動離れたからってイライラしないでよ?」







…そう地味に大きな声で言う高山の声に…




「え…?奈留??」




「岬くんって奈留のこと好きなの?」




「えー真反対じゃね?」




近くにいた生徒達が反応して騒ぎ出す。




俺は隣で笑っている高山をにらみつける。








「だからさぁ?これ以上のこと言われたくなかったら僕と一緒に行動しようよ?」




…こいつ、本当に性格ねじ曲がってるな。




「っ…わかった。」





そんなことを思いながら俺は了承するしかなかったのだった。