「あ。僕、いいこと考えちゃった。」



高山はそう言うとニヤリと笑った。




…絶対にロクなこと考えてないよ。




私がそんなことを思っていると。






「君、覚えてるよね?…この前の罪の償いのこと。」




いきなり切り出すのは…そんな話。





「そ、それが何…?」





「だーかーら。今、償ってもらうよ?その罪。」




「え…?」




高山はそう言うと私を壁に追い詰めた。





そして…キスを落としたのだ。





…私の唇に。







「何すんのっ…?!やめてよっ!」




私が突き飛ばすと高山はクスッと笑い




「じゃあ岬君と今すぐ別れなよ。」




「はぁっ?バッカじゃないの?!別れるなんて嫌に…」





私がそこまで言うと高山は私に携帯を見せた。






「っ…?!」




そこに写っていたのは。




さっきの…キスの写真。





あいにく私の顔は見えなくて…嫌がってるかなんて全然わからない。






「僕の条件を飲めないって言うんだったらコレ岬君に見せるよ?」





私はためらった。





今日想いがつながったばっかなのに…





そんな…彼氏より先に他の男の人とキスしちゃうなんて。






私、岬に合わせる顔がないよ…





「奈留サン?どうする??」





返答なんてわかりきってるはずなのに。





高山は嫌らしくそう聞いてくる。





「わ、私は…」






答えなんてわかってるのに。





「っ…」








岬を手放したくないという思いが勝ってなかなか決断できない私だった。