高山side



んー…



やっぱりこうして見るときついなぁ…




奈留が岬とやり取りするのを見て不服に思う僕。




こんな状況にしたのは他でもない僕だけど。




でも…悔しいけど僕は岬だけに見せる奈留の笑顔が好きだ。




…こうして奈留の笑顔を眺めていたいから。




僕は岬と同じグループになったのだ。




「岬なんてただの道具だよ…」



僕は誰にも聞こえない声でつぶやいた。



そう。僕は奈留しか欲しくない。



他のものはいらない。






…それがたとえ、奈留が想っている人でも。







僕がこの手で…消してみせる。




「じゃあ僕、メンバー表出してくるねー」



「うん。よろしく~」




僕は三人に背を向ける。




そして薄く笑った。




奈留が本当に僕のものになったらどんなに幸せだろう。




…本心から。心の底から。




僕は奈留の告白を聞きたい。




だからそのためにだったらなんだってする。









「先生。お願いします。」




「はーい。そうだ。高山君、この学校にはもう慣れた?」




「はい。今、すごく楽しいです。」



「本当?それはよかったわ~槙谷さん達とも仲いいみたいだし。」




担任の先生はそう言い安心そうに微笑む。




「そうですね。」




僕も笑って見せた。



僕はもう一度、チャンスが来るまで待ち続ける。









____奈留を奪えるチャンスが来るまで。