休日が開けて、月曜日。



私はすっかり高山の魔法のことなんて忘れていた。




「岬っ!」



私は教室に入るなり、岬に声をかけた。



「おはよ~」



私がニコニコしながら挨拶すると。



「…」



岬は挨拶はおろか、目すら合わせてくれなかった。



「おーい?岬…」



私が何度声をかけても岬が答えてくれることはなく…







「はーい。席ついて。ホームルーム始めるわよー」



すぐに先生が来てしまった。



私は名残惜しかったが席につき前に向き直った。



やっぱり…この前のこと引きずってるのかな…



私が暗かったから…




私はため息をついた。




「では。今日はキャンプの班を決めますよー」





先生の言葉に私の胸はどくんと波打った。








そして先生の指示でまずは女子2名のペアを作ることになった。




私はもちろん…



「奈留~!!」



「雛!!」



迷うことなく雛とペアになった。



男子は…



「奈留さーん。一緒の班になるよー」



高山がそう声をかけてきた。




こういうことだろうとは予想はついてたけど。




もう一人は誰かなぁ…と見たとき。




私は驚きの余り、固まってしまった。




だって高山とペアだったのは…




「なんで俺がこんな奴と…」




なんと相変わらず不機嫌そうな岬だったからだ。