「罠なんじゃない?」



「やっぱそうか…」



私は返信しなくてよかったとホッとした。



「でも…私だったら正直に返信するけどねー」



「…はっ?!」



さっきとは全く違う意見を言い出す雛。



「えーでも罠の可能性は100%なわけじゃないでしょ?だったら残りの何%でも私は賭けたいなぁ。」




「なんでそんな…」



「え?まぁ本当に同じ班になりたかったらそうするだろうねってこと。」




岬と同じ班…



そんなの本当に夢みたいな話だ。



私はまた携帯を見つめた。



私…





気が付くと手が勝手に動いていた。







『私、岬と同じ班になりたい』







そんな短く強い意思で。




するとすぐに高山から返信が来た。






『わかった。じゃあ僕が魔法をかけてあげるからねー』







私の真剣に考えた返信の後のコレだ。



少しイラッとした。



「うわぁ…めっちゃふざけてるねぇ…」



雛も苦笑してる。



魔法をかけるって…魔法使いじゃあるまいし?




「バカみたい…」



私は携帯を放り出すと雛とのおしゃべりに没頭した。



魔法なんて嘘だよ。




そう。私はこの時、全く信じてなかったのだ。




…あの月曜日の日まで。