私は携帯を片手にぼーっとしていた。



なんというか…迷っているのだ。



「雛にこのこと言ったほうがいいのかな…」



と。



雛とは何でも話す仲なのだが…



正直、この話はどう言っていいかわからなかった。









結局、私は携帯を放り出した。



……悩み放棄だ。



何もない天井を見つめていると隣で携帯の着信音が鳴った。



どうやら、メールのようだ。





送り主は…




「はぁっ?!」



画面に表示される名前を見て驚いた。



それは…メルアドを交換した覚えのない…





高山だった。




『やっほー。僕、奈留が寝てるときメルアド登録しといたからー』






一文目で私の疑問はすぐに解決した。




…いや、ある意味解決してないけど。




『あと…君さ、岬とキャンプで同じ班になりたいでしょ?』



…え?!



いきなりの質問に私は目を丸くした。




…そりゃあ確かに同じ班にはなりたいけど。




『では返信待ってまーす』





そこでメールは終わっていた。




私は文面を何度も読み返しながら考えた。




これは罠なのか…それとも本当なのか。




もともと信じられない高山だ。




何しでかすかわかったもんじゃないしなぁ…




そんな時だった。







「奈留-っ!!」



いきなり部屋に雛が飛び込んできて私は目を見開いた。




「雛?!どうして…」



「せっかく来てあげたんだから感謝くらいしたら?」



「あ、ああ…なんかありがとう。」




すると雛は満足そうに微笑み



「で?新しい悩みができたっぽいけどどうしたの?」




……雛にはなんでもお見通しのようだった。