教室に着くと



「奈留!」



と雛が声をかけてきた。



「昨日はどこに行ってたの?!奈留のお母さん、すごい心配してたよ?」



そうか…高山、お母さんとかにも何も言ってないんだ…




私が口を開けかけた時。




私は背筋が凍るのを感じた。





『僕の目を盗むなんてバカなこと考えないようにね?』





私は…見張られてるんだ…





「ちょっと友達の家に泊まってたんだ。今日もその予定だからって伝えておいてくれる?」





「え?う、うん…わかったよ?」





雛はなんだか納得してないようだった。




そんな雛を置いてわたしは席についた。






すると。




「…はよ。」




突然聞こえてきたぎこちない挨拶。




振り返るとそこには…私の好きな人、岬の姿。




「岬っ…!!」




私は泣きそうなのをこらえながら岬を見つめた。




「なっ…お前、そんなにこっち見んな。」





しばらく岬を見ていた私に彼は恥ずかしそうに顔を背ける。






やっぱり。




私が好きなのはずっとずっと岬だけ___




そうしていると。




「おはよー奈留と…岬君?」




そんな私たちの間に入ってくるのは…高山。




「っ……」





私は思わずうつむいた。




高山の視線が刺さったがわたしは顔を上げなかった。




「槙谷…??」




私の変化に気づいたのか岬が声をかけた。




だが私がその声に応えることは…





「奈留、調子悪いんじゃない?…ねぇ?」




「…うん。そうみたい…」






決して許されない。