さっきから私の胸の鼓動はずっと波打っていた。



だってさっきのあの言葉って…




嫉妬…だよね?





岬、私に嫉妬してくれたんだよね??





そう考えるとにやけが止まらなかった。







そんな時。




「そこのにやけてるおじょーさん?」




私の表情をぴたりと当てる…人。




この少しイラッとする言葉を言う人は…




「た、高山…!!」




「やぁ。さっきぶりだね。…そこの男の子も?」




そう言い私の後ろの席に目を向ける高山。





「誰だよ。お前。」




そんな高山に言い返す岬は明らかに不機嫌そうだ。





「やだな~もう忘れちゃったの??」




対して高山は余裕そうな笑みを浮かべている。




…なんだこれ。





私が止めに入ろうとしたところでチャイムが鳴った。




「じゃあまた後でね。奈留サン?」




そう言い残し、高山は新しく作られた廊下側の席へと戻っていった。




そんな高山にため息をついてると





「あいつ…ほんと何なんだよ…!!」





と後ろでキレる岬。





こうして感情を露にする岬…





私、初めて見たかも。




「ははっ…」





私は思わず笑い声を出してしまった。






「…お前、何笑ってんだよ?」





笑われた岬は当然ムッとしている。





「いつもさ、そうして感情を出せばいいのに。」





私が笑いを抑えながら言うと彼は



「う、うるせぇ。別にいーんだよ。感情なんて見せたいときに見せれば。」







そう言う岬はまたあのツン猫に戻ったようだった。