二宮くんはクエスチョンマークを浮かべた表情であたしを見る。
かっこいいしかわいいし、反則だ。
すごくイケメンだってことははじめからわかっていたし、王子さまと呼ばれているのも納得していたけれど、
ここまで意識したのははじめてだった。
さっきまで平然とあいあい傘ができていたのが、不思議なくらい。
「あ……傘、入れてくれてありがとう」
「ああ、うん」
「か、帰りますか」
「うん」
どもるあたしをまだ疑問に思っているようではあるものの、うなずく二宮くん。
あいあい傘していたときと同じように、自然と並んで歩くかたちになる。
なんだか落ち着かなくてちらりと横目で二宮くんを見たあたしは、はっとした。