けれど委員会の最中も、みんな王子さまの存在が気になるらしく。

ちらちらと見たり、小さな声できゃあきゃあと話している女の子が多かった。



二宮くんもそれには気づいているようで、何度か小さくため息をついていて。



今回は書架整理がないので、10分ほどで終わったのが救いだろう。


はじまりと同様、図書委員長の号令で委員会は終了し、解散になった。



終わった瞬間、二宮くんは誰よりはやく図書室をあとにした。




「あ~、いっちゃった!」


「話しかけてみたかったのにぃ」


「でも女嫌いだからきっと冷たくされるよ~」




そんな話を聞きつつ、あたしは図書室の窓から外をながめる。



……やっぱり、降ってるよね。

まあ予想してたし、期待はしてなかったからいいんだけど。