みゆきが帰宅する頃には、あたしも学校を出てると思うけど。
かわいいからうなずいて、あたしはかばんを持って図書室に向かった。
あたしは図書委員をまかされている。
本が好きってわけじゃないし、家事があるからやる気もなかったんだけど。
国語科を担当するうちの担任が、あたしを推薦してしまったから仕方がない。
文系の順位は入試ふくめトップだったからか、あたしはわりと担任に気に入られている。
「紫乃ー!」
別館の図書室にはもうほとんどの生徒があつまっていた。
指定された席にすわると、うしろからとなりのクラスの女の子に話しかけられる。
「久しぶり~」
「久しぶり! 委員会とかかったるいよねぇ」
「まあ今日は整理とかないし、たぶんはやく終わるよ」