トラウマ? トラウマがあるの?
でも、そうだったらあたしとの同居を受け入れるわけないはずだ。
女嫌いはただのうわさだったんじゃ、と思ってたけど、
女の子にたいしてそんな態度をとるってことは、やっぱり嘘ではなかったんだよね。
じゃあなんであたしと生活してるんだろう……?
うーん、と頭を悩ませていると、みゆきがあたしの肩をたたいてきた。
「紫乃ちゃん? 難しい顔して、どうしたの?」
「え、ううん! ち、ちょっとたまご焼きの味付け失敗しちゃったなあと思って!」
「そうなの?」
あわてて言い訳するあたしに、きょとんとした瞳を向けてくるみゆき。
ああ……天使に2度も心配させてしまった。