「だ、大丈夫。ありがと」




心配してくれるみゆきにお礼を言い、渡されたペットボトルのお茶を受け取る。


ひと口飲んであたしが落ち着いたのを見て、奈子が「それでさっ」と楽しげに続けた。



奈子はうわさや情報に目がない。

情報網をたくさん持っていて、いろんなことを知ってる。



いままでだって何度も二宮くんの話を奈子から聞かされていた。




「ほら。王子って女嫌いだし、手紙とか呼び出しにはいっさい応えないじゃん?
となりのクラスの子なんだけど、今日の休み時間に、廊下で呼び止めてその場で告白したらしいの!」


「人がいるところで?」