そう笑うと、ちょっとだけ目をまるくしてあたしを見る二宮くん。

それから眉をひそめた。




「っ……うるさい」




不機嫌そうな声で、ふい、と顔をそむけられた。



ん……? 怒らせた?

でも褒めただけだし、怒る要素はなかったはずだよね?




「ごちそうさま」




トーストをたいらげて席を立つ二宮くんに、あたしは「二宮くん!」と声をかけた。




「じゃあ、買いものはいっしょに行かない?」


「え……」


「だめかな? 二宮くんだけに持たせるのは悪いし……」




そう言って首をかしげると、二宮くんはうつむいて食器を持った。




「……わかった」




小さく了承した二宮くんの顔は、ちょっとだけ赤く見えた。



すぐにキッチンに向かって見えなくなってしまったから、

気のせいかもしれないけど。





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