信頼の意味をこめて、ほほ笑んでそう言うと、あたしは家を飛び出した。
手の中でスマホがふるえ、確認すると拓海くんからの電話だった。
言われることはわかっているので拒否すると、
即座に【家にいろ】と叱責のLINEがおくられてくる。
「……ごめんね。あとでいっぱいあやまるから」
心配をかけさせてしまうとわかっていても、こんな状況でじっとしてはいられないから。
LINEには既読をつけた状態で、スマホをポケットにしまった。
あ。
でも、さがした場所とかは聞いておけばよかった。
みゆきの行きそうなところとか、わかんないし……。
家の周辺を見渡しながら、
もう一度スマホを取り出し、一応みゆきに電話をかけてみる。
繰り返されるコール音。
あたしなら出てくれるかもしれないと期待したけど、つながる気配はない。
親友の声が聴こえないことに、大きな不安がよぎった。
こういうときの予感は、不本意にも的中することが多い。
いったん切って、あたしは人通りの多い街へむかった。
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