おどろいた声を上げたあたしに、みゆきは顔を赤くさせた。
「柊木くん……この前、日直の仕事を手伝ってくれたでしょ?」
それを聞いて、みゆきが日直だったおとといのことを思い出した。
その日は、あいにくペアの男の子が欠席で。
返却物は少ないだろうから、とお昼休みにひとりで職員室へ向かったみゆきは、
大量のノートを持って教室に帰ってきた。
……柊木くんといっしょに。
びっくりしたけど、会話もなく、ただ手伝ってくれただけだったらしい。
でも……
みゆきにとってそのできごとは、やっぱりとくべつだったんだよね。
「私のことはなんとも思ってないってわかってるけど、このままじゃ、あきらめられないよ。
ちゃんと告白して、ちゃんと断ってもらいたいもん」
「みゆき……」
「できれば今日じゅうに……柊木くんと話しようと思うの」
緊張をまじえた、でも意志のこもった声で、みゆきがそう言った。