けれど、答えなんて見つかるはずもなく。
予鈴が鳴って少ししてから、あたしたちは図書室を出た。
「鍵は僕があずかっておくから、お昼休みまた連絡してね」
「うん。ありがとう」
階段をのぼりながら、優しい安達くんの言葉にうなずく。
本来なら職員室に持っていかなくちゃいけないんだけど、
担任が『羽山も大変だろうし、安達になら鍵をまかせてもいい』ととくべつにゆるしてくれた。
図書委員担当の先生に気に入られてて、本当によかったと思う。
「じゃあね」
安達くんのクラスは離れていて、4階にある。
3階の教室であるあたしたちに手を振り、安達くんは階段をのぼっていった。
「もうしわけないなぁ……」
関係ないのに、巻き込んじゃって。
そう思って小さくつぶやいたとき、下の階から誰かがのぼってきた。