そろそろあそこ以外の場所を
 探さないと。
 今日はあの男が居ないことを
 願いながら、美術室に向かう。

 「あ、いない」

 よかった。
 でも、何で鍵は閉めてたはずなのに。
 いいや。そんな事。

 いつものようにごちそうさまをして
 書きかけだった絵に取り掛かった。

 「へぇーこんな絵描くんだ」

 ふと、声が聞こえてきた。
 そう、昨日のあの男の声が。
 何で、いるの?

 「あ、逃げないでよ、今日は」