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もう船に乗って何日が過ぎただろうか…。
絵美「早く…帰らないと……」
山南が心配で堪らなかった。
今はきっと平助の恩師である伊藤甲子太郎がいるはずだ。
山南さんは肩身が狭い思いをしているに違いない。
お願い、どうか無事でいてください。
高杉「なあ…」
絵美「晋作…どうしたの?」
真面目な顔をして話しかけてくる高杉は珍しかった。
だからいつも高杉の前ではおちゃらけている絵美も真面目に聞いた。
高杉「お前…壬生狼に…その……想い人とか…いんのか?」
そっぽを向きながら聞く高杉は耳まで真っ赤に染まっていた。
しかし鈍感な絵美が気付くことはなかった。
絵美「お、想い人⁈」
想い人って、好きな人のことだよね?
好きな人……
っ!!!!
ないないないない。
何故か分からないが一瞬、ほんの一瞬だけ原田の顔が浮かんだ。
しかし何度も言うようだが鈍感な絵美だ。
そして鈍感なだけでなく恋愛というものを全く経験したことのない彼女は恋が分からない。
絵美「いないよ、いない」
高杉「そうか」
それだけ言うと晋作は稔麿の元へと戻って行った。
変なの。
そんなこと聞いてどうすんのよ。
っっっっ!!
京に………
絵美「着いたーーーーーーっっっ!!!」


