絵美「だって私、労咳を治す薬を持ってるもの」


幹部「はぁ?」



原田「労咳って死病じゃなかったっけか?」



土方「労咳を治す薬なんざ存在しねえ」



絵美「土方さん、私がどこから来たのか忘れたんですか?未来で労咳は薬で治ります」



藤堂「じゃあ…総司は……!」



絵美「治ります。この先の戦には嫌と言われても出します」



永倉「よ…、良かったなー!総司!!」



沖田「はい!!」



近藤「だが…何故絵美が労咳の薬なんて持ってるんだ?」



やっぱみんな聞くよね?



絵美「私も元労咳患者だからですよ」



幹部「え…」



土方「薬…総司に使って大丈夫なのか?」




絵美「はい!私はもう完治してるので大丈夫です」





藤堂「良かった…」




絵美「まぁ兎に角!今夜、総司は水分をたくさん摂取して。平助は絶対に鉢金を外さないで。新八は親指に気をつけて」




沖・永・藤「おう(はい)!」





近藤「それではみんn…」





スパンッ



島田「副長!!古高が脱走しました!!!」



土方「何!!!」



キッ



瞬時に部屋の中の人達の視線が私に降り注がれた。



絵美「私じゃないですよ。見ないでください」



そしてシレッと嘘を吐く私。




島田「蔵からの出口は私が見張っていたのできっと隠し通路から逃げたのでしょう」



幹部「蔵に隠し通路なんてあったのか?」



ギロ


絵美「(ビクッ!!!)見ないでってば」



山崎「副長、ちびっと絵美借るで」



土方「少しと言わずたっぷり貸してやる。だが次は俺の説教だからな」


絵美「え、ちょ…っ!」


私は右腕を烝に、左腕を島田さんに掴まれて強制的に部屋から連れ出された。






………………………………



スパンッ



山崎「さて、絵美。これは一体どういうことや?」



絵美「何でみんな私を疑うのよ!!」




私が悪いんだけどね。




今はシラを切らなきゃ負ける!




島田「あの隠し通路は局長、副長、総長、観察方しか知らないんです」




私、いけない事したのかもしれない。




隠し通路を敵に教えたら屯所の内部を教えたのと同じよね。




山崎「絵美聞いとるんか?」




私は古高が情報を漏らさないと信じているけどもしも古高が漏らして長州の奴等が攻めて来たら?




山崎「おい絵美」




いや、だから私は古高を信じるんだってば。



そうそう。




私が信じないでどうするの。




山崎「おい絵美!!」





でも古高は拷問に耐えきれずに仲間の情報を敵である私達に吐いた。




仲間の情報を漏らすのに敵の情報を漏らさないはずがない…。





私、まずいことしたな…。





ガゴン





絵美「い"ったい!!!!」




山崎「おいゴルァ。上司の話を丸シカトしはるたぁ、ええ度胸やなあ。あ"ぁ?しばいたろか?」




ひぃぃぃぃぃぃぃぃぃい!!!!!




絵美「す、烝さん、落ち着いて!」




ヤクザも顔負けの迫力で静かに私を脅す烝に私は命の危険を感じたのはきっと気のせいではないはず。




山崎「人の話を聞いてなかったくせして落ち着けだぁ?舐めとんのか!!!!!」





島田「や、山崎さん!!落ち着いてください!!!」





関西弁はまた怖え。





私はまた一つ烝について学んだ。




他に学んだことなんてあったけ?




まぁ良いや。