そんな幸せに浸っていた時

突然部屋のドアがノックされ

ルームサービスがやってきた。


100本の薔薇とシャンパン

そしてプレゼントとケーキ。

なんともベタな演出ではあるが

あたしは心底ビックリしていた。


「 ごゆっくりお寛ぎ下さいませ。 」


丁寧な言葉遣いでスタッフの男性はそう言い残し

部屋を出ていった。



「 びっくりした?? 」

和樹はハニカミながらこちらを見る

「 びっくりしたよー!ナニコレー?? 」

開いた口が塞がらないとは

まさにこの事だと思った。



和樹の手がプレゼントの包装を外して行く……………


中から出てきたのは黒い箱に白いアルファベットが書かれている

なんともシンプルな箱だった。

シャネルだ………



その箱の蓋を外すとそこには

シャネルのシンボルマークであるCOCOマークとハート型のスワロフスキーが可愛く並ぶネックレスが入っていた。


和樹の手によってあたしの首にその冷たいネックレスが密着した。


そして100本の薔薇を渡された。


「ちょっと遅いけどメリークリスマス!来年もお祝いしようね。」



そう言って軽く唇同士が触れ合った。



涙が止まらなかった。

人生できっと初めての嬉し泣き。


せっかくのシャンパンだったけれど

お酒どころか甘酒すら飲めなかったあたしは

1本まるまる和樹に託し、

一緒に運ばれてきた甘い甘いチョコレートケーキを頬張った。



そのまま2人とても濃い夜を過ごした。