16歳の冬
和樹と過ごす初めてのクリスマス。
と言っても1日過ぎてしまったけど、、、。
ここは汐留にあるホテルのスウィートルーム
燦然と輝く東京の夜景を
ずっとずっと高い場所から見おろせるガラス張りの窓。
部屋の中はとても暖かく、
外の寒さが嘘のようで、そしてその寒さは東京の空すらも澄ませていた。
高校1年生16歳。
とても贅沢なクリスマスだった。
当時の和樹はまだ21歳で
ヘアサロンのウェブのお仕事をしていた。
しかしそれだけではお給料はあまり良くなく
月に6日の休みのうち5日はスロットでお小遣い稼ぎをしていて、
良い時だと30万円近く勝っていた。
そして何故かあまり負ける事はなかった。
そんな生活だった為、あまり会うことも出来ず
16歳のあたしは寂しい毎日を過ごしていたけど、
決して安くはないこの1日をプレゼントするお金を稼いでいるのは和樹で、
普段から和樹を責める事が出来なかった。
しかし今日はそんな日々の寂しさを忘れるくらい
うっとりとした時間が流れている。