イヤホンの外から漏れる人々の声や繁華街ならではの雑音。 その中で微かに、“るーちゃん”そう呼ぶ声が聞こえるような気がした。 「………るーちゃん。」 もしかしたらまだ鮮明な思い出として あたしの中に残っているのかもしれない。 頭の中で響いた声。あたしの事をるーちゃんと呼ぶ人。 過去本当に大好きだった人。 和樹だった。 確かあの日もこんな寒い日で、 クリスマスを1日過ぎた26日だった。