「俺車だと飲めないから1回家に置きにいっていい〜?」

「どうぞ?」

あたしの目は今笑ってないであろう。

「あれ?何で怒ってんの??」

ここまで無神経な人間はいるのだろうか

あたしはこれまでもそしてこの先も

彼以上にとんちんかんな人間と出逢うことはない。


都庁前付近のコンシェルジュ付きタワーマンション

ここがあたし達の家、

というより今はあたししか住んでいなくて

幸太郎は麻布にある別のマンションに暮らしていた。

元々この家は幸太郎がホームパーティ用に借りていた家で、

最近ではホームパーティもしてい無かったので、あたしが転がり込んだ。

幸太郎の荷物は殆ど無い。

この無頓着な性格とはそのくらいの距離感が丁度良かった。