和樹とよく歩いていた道
それがここ新宿靖国通りだった。
長い長い物語りに終止符が打たれた事を
今更ながら改めて実感させられたのである。
あたしは通り沿いのハンバーガーショップに入った。
「烏龍茶お願いします。」
それだけを注文して2階へと上がる。
ボーっと店内を見渡してみても
なんだか味気なささえ感じた。
間もなくして再び幸太郎から電話が来た。
「ごめんごめん!今三丁目当たりだよ!どこいる?」
あたしよりも13歳上だと言うのにヘラヘラしていて相変わらず能天気野郎だ。
「バーガー屋さんにいるよ。」
それだけを伝え電話を切った。
“はぁ”と再びため息が出る。
最近は約束の守れないこの性格にあたしは相当腹を立てていたし
限界が来るのも時間の問題だと思った。
付き合って4ヶ月………
あたしはまだ20歳……
探そうと思えばこの先なんていくらでもある。
そんなことをぶつぶつ考えているうちに
“着いたよ!出てきて”というメールが入った。
普通待たせたんだから迎えに来なさいよ!
とも思ったけど、また今日も久しぶりの再会だったのでその言葉も飲み込んだ。
“フゥ〜”と深呼吸をして階段を下がり始める。
まだ殆ど口をつけていない烏龍茶を捨てて……