浮気されてるされてないの押し問答がようやく終わり
あたしの中の怒りもピークに来た頃
ようやくお会計しようと重い腰を上げた。
その日のお会計は全員分をあたしが払った。
頼まれたわけじゃない、自分からそうしたのだ。
皆お金が無い事に対する同情と、
恋愛に対しての否定がすごく気に食わなかったから
“あたしは貴女たちより大人だと”
優越感を感じたかったのかもしれない。
たかだかファミレス
4人合わせてもお会計は2000円いかなかった。
一人頭500円程のお金が浮いた事に
皆は大喜びしていて
そして感謝の言葉を述べられた。
その日の夜あたしは和樹に電話をかけて
昼間の一連の流れを話した。
その話を静かに聞いてくれる彼。
「るーちゃん良く頑張ったね。いい子だね」
まるで子供を宥めるような言い方だけれど
その優しさが嬉しくて
あたしは昼間我慢した分の涙を一緒に流した。
そして深い深い眠りにつく。
布団の温もりは
この先の葛藤など何も知らない。