しばらく、そのまま私たちの間には何も起こらず、会話があるはずもなく、時間だけが通りすぎていくようだった。


不意に、少女の顔が上がり、何かを決意したかのように目のはしを細い指が拭う。

おや、これは。

震える膝を両手でぐっとつかみ、少女は立ち上がった。

くるりと私に背を向けると、ゆっくりと、歩き出す。