「葉月寝るか?」








「寝たいけど…」







「気にするな俺は眠くないし寒さには慣れて来たから。」









「そっか…じゃあ」









葉月の言葉は途中で途切れた。









聞こえるのは右肩に温もりを感じて寝息を立てる葉月の姿。








俺はマフラーを葉月に掛けてコートに包まってひたすら耐えた。









雪がちらついても、寒く冷たい風か吹いても葉月が起きないようにと神経を巡らせていた。








家で警戒してたように…






だけどまだ所詮は小学3年生。






途中で俺の意識も途切れた。












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もし…あんな暴力的じゃなかったらっていう夢を何度見たコトか。










今なら聞ける。









ならババァてめぇは俺らの為に働いてたのに何であんな八つ当たりしてたんだ?











水商売もいいとこにしとけよな。









ストレス溜まっても突き放して恐怖心抱かれても俺らの為に金貯めてたなら何で言わなかったんだよ。










復讐する前には知ってたぜ。









だから言ったんだ。






殺る前に「ありがとうな。」ってよ。








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