「てかちょっと抜けね?」


隆也が私の目を覗きこむ。
その目わもう、
いつもの優しい隆也の目だった。



『ん。い―よ』



私たちわ賑やかな音の中を抜け
通りに向かう。


みんなは自分たちのことで
いっぱいで。
私達二人がいなくなったことになんて気がつかなかった。