「おまえいっつもそ~やって悲しい顔すんのな、笑えよ!」



隆也は私の髪の毛を
くしゃくしゃってして
でも優しく、
撫でてくれた。



すごく嬉しかった。
嬉しかったんだよ?
でも私はだめだね。
問題はいつだって
私の中にある。




自分の中にある
壁を越えられない。
それが甘えだとわかっても。
それが弱さだとわかっても。



一度逃げたら
戻れない。
そんな風に
思ってた。