中学校を卒業して、
あたしは高校に入学した。

県内トップの高校で、
東大への進学者も毎年出しているような高校だ。


あたしは何も期待しなかった。
これから始まる高校生活にシケた意識しかなかった。


勉強頑張って国立大学に入る。
部活はどうしようかな。
男子は興味ない。彼氏いるし。


「ねぇ、友達になろー!」


入学早々シケた顔したあたしに
話しかけてくれた女の子。

ショートカットが似合って
目も大きくて
笑うとえくぼが可愛い。


「あたし、宇野真理子!西二中出身!よろしくね!」


真理子はとにかく元気な子だった。
表裏なんかなくて、
みんなを引っ張っていくタイプだ。


「…あ、あたし若松菜穂…よろしく…」


初対面なのにこんな覇気のない返事をしたあたしだけど、
真理子はそんなことお構いなしだった。