…は?

私の頭は驚きのあまり何もかも真っ白になった。

なんで?

その言葉しか出てこない。

そんな私を無視して優愛は話を進める。

「私ね、彼氏が出来たの。」

それは知っている。

放課後の教室で見た、幸せそうなカップル。

「え、高坂でしょ?」

そう私が聞くと、優愛は首を横に振ったのだ。

「違う。霧斗君。ほら、生徒会長の。」

ああ、この子は何を言ってるんだろう。

さっきの照れた表情は?

幸せそうな二人は?

優愛を見る、愛しそうな高坂の横顔は_?

「なんで、この前高坂って言ってたじゃん。」

「ああ、茅は…



別に好きじゃないの。」



そう言ってふふ、っと笑って見せた優愛。

そんな親友に恐怖さえ覚えた。

「…いつから?」

「何が?」

「いつから好きじゃなかったの?」

そうだねー、と人指し指を顎に当てる仕草をして、

「最初からかな。」

そう言ってまた笑った。