…矢野君…矢野君…。
「……。」
やばっ!!
誰か来た…って矢上君!!
相変わらずムスっとした顔してんなぁ…。
笑ったとこ見たことないや…って言っても話したのこの前が初めてだったし当たり前か。
…って早くしないと…!!
や…や…矢野…。
…ああ!!ここだ!!えい!
(バタン!)
よーし…早く教室戻ろう…。

「おはよ~…。」
「真穂~!!おはよ~!!」
「真穂おはよ!!」
「みんなおはよ~!!」
そういうと勢いよく駆けだしてくる二人。
「おはようございまぁす!」
「おはよう!真穂!!」
「美夏と来なかったのぉ?」
「ううん。用事あったからちょっと先に行ってもらったの。」
「んなんだ。てか、今日はまた…気合入れて…どうした?」
「えっ!!変!?」
『ううん!!可愛い!!』
「…って美夏も言ってたよねぇ?」
「うん!!美夏もいいって言ってた…けど神流(かんな)と海奈(かいな)はどう思う?」
「だ~か~ら~!!可愛いって言ってんじゃん!!」
「うん!!可愛いぃ!!」
「さんきゅ~~~う!!」
わたしは二人に抱きついた。
二ノ宮海奈(にのみやかいな)・神流(かんな)。
神流と海奈は双子。
どっちもあたしと美夏の友達!
二卵性双生児とかなんとかだからめっちゃ似てる。
顔は似ているけど性格としゃべり方は似てない。
神流は運動神経抜群…だけど成績が…ね?あたしも言えないんだけど。
海奈は成績優秀…だけど運動が…ダメなの。
海奈は彼氏いるけど…神流はいない。
「はっ!!美夏のとこ行かないと!!んじゃね!!二人とも!!」
『ばいば~い!!』

「美夏!!」
「おかえり…真穂。どうだった?」
「うん!ばっちし!後は結果を待つだけだよ~…。」
「うん…そうだね。なんか…嫌な予感する…。」
「え?なんで?」
「ううん、なんでもない。」
(ガラガラガラ…)
「おら~!おまえら!席つけ~!!」