「ここ…怪我してるよ?じゃ~ん!!あたしね、ばんそうこ持ってんだ!!見て!これ可愛くない?ウサギのマークなの!!」
「…。」
そういって矢上君のほっぺたにばんそうこを貼ってあげることにした。
「おいしょ!!」
背がちっちゃいあたしは椅子に上って貼るのが精いっぱいで…。
矢上君は背が家のパパよりおっきくてたくましい。
わたしは身長150㎝。
一方の矢上君は185㎝。
小学校のとき使っていた30センチものさしより…大きい身長差。
(ぺた!)
「…んな!」
貼ったとたんそっぽを向く矢上君。
「えへへ…あんまり怪我しちゃダメだよ?」
「さ…さん…きゅ…。」
そういって矢上君は去って行った。
…お礼言えるんだ。
「真穂!?大丈夫!?」
「うん!全然大丈夫!」
「びっくりした~…いきなり真穂、あいつのとこ行くんだもん。」
「ごめん、ごめん…。」
「でもさ、まさかあの矢上がお礼言えるなんてびっくり。」
美夏は興味深い顔をして考え込んでいる。
「うん…。でもね?なんか怖くはなかった。」
「ハァ!?とうとう真穂、頭いかれちゃった!?」
「ちがうよ!!ホントだよ。」
「はいはい、行くよ?もう矢野たち終わってるし。」
「うそ!?今日もメアド聞けなかった~…。」
「ハァ…。」
がっかりする私の隣でため息をつく美夏。