俺は真穂を強く抱きしめた。
「そんなこと言って…。」
「…え?」
「…俺ぜってー離さねぇけど?」
「え…?」
「俺…嫉妬深い男だし…これから先…嫌いになっても…他の奴好きになっても…離す気ゼロだけど…いいのかぁ!?」
うっ…泣けてくる…。
バカかぁ…俺…。
「わたし…矢上君しか…好きになれないと思う。」
「マジ…?」
「うん…だって…こんな素敵な彼一生に一度の宝物だもん。」
にへって笑う真穂。
「…!!可愛すぎ…。」
「うわ…矢上君…。」
強く抱きしめた。
「でもね?矢上君。」
「ん?」
「もうケンカしないって誓ってくれる?」
「え…それは…。」
「無理…だよね…。あたし…怪我する矢上君…見たくないの…。」
上目づかいで見上げてくる…。
反則…。
「いや!!約束する!!ケンカしない!!」
「ふふ…大好きだよ…矢上君…。」
その瞬間柔らかいものが頬に当たった。
「…。」
「矢上君!!赤くなりすぎ!!」
俺たちの心が通じ合った日。
…奇跡に近い…。
もし…あの時ラブレターが矢野のとこに入ってたら…俺たちはこうして話をすることもなかったのだろう。
…真穂…お前がドジでよかった。