「俺、それはドジな真穂のすることだってわかっていたんだけど…真穂の笑顔見たら気が変っちゃって…。返そうと思って呼んだのに…「気持ちが伝わる手紙だ。」っていったらあんなに喜んだ顔して…。真穂は俺の笑顔がいいって言ったけど、俺は真穂の笑顔が…大好きだった。」
「矢上君…でも…あたしは…!!」
「さっき迎えに行ったんだけど…!!」
矢野君はわたしの言葉をさえぎるように言った。
「あの時…グラウンド見てた真穂の顔…!!すんげ―いい顔してた!!」
「矢上君…。」
「…行って来い…。」
そういって矢上君がポケットから出したのはあの時のラブレター。
「やが…――。」
「俺は!!お前のことわかったから…満足したから…お前はあいつに気持ち伝えて来い!!いいラブレターだから!!」
叫んで後ろを向く矢上君の陰には涙が地面ににじんでいた。
「俺は…帰る…から…。」

一人の教室で矢上君はそんなことを考えてたの…?
「…なにが…分かった…のぉ…。」