『…。』
うわ~…何話せばいいかわかんないよぉ…。
「あのさ…。」
「えっ!はい!!なに?」
「さっきありがと…な?」
「なんで?」
「いや…俺…周りの奴に嫌われてるから…。」
そう言って弱そうに笑う矢上君。
「あたしは…好きだよ?」
「ハァァ!?」
矢上君に似合わない大きい声でびっくりする。
おまけに顔は…真っ赤…なのかなぁ…夕日でわかんないや。
「矢上君はねぇ?かっこいいし…可愛いよ。」
「か…可愛いぃだぁぁ…!?」
「うん!!可愛い!!…でも…。」
「…?」
この際だから言っちゃおっかなぁ…。
「物を乱暴に使いすぎ…です。物が泣いてるでしょーが!」
「…はい。」
案外素直に「はい。」と返事してくれた。
「それと…矢上君は顔はかっこいいんです。なのに…こ~んな顔しているのはもったいないです。」
そう言ってわたしなりに怖い顔をした。
「…っぷ…俺そんな顔してんの…?」
うわぁぁ~…かっこいい…。
笑った顔かっこいいじゃん…もともとかっこいいけど…。
「その顔いいです!!かっこいいです。」
そういうと顔を腕で隠す矢上君。
「笑っていてください。」
「…でも…いきなり…。」
「いきなりは無理かも知れないので…じゃあ…あたしといるときだけでも笑っててください。」
わたしは思いっきり笑って見せた。
「うん…それならできそうだ。」
そういって笑った顔はちょ~かっこよかったんだ…。
「…。」
「…今野?」
「えっ…!名前…知ってたの?」
「ああ…当たり前じゃん?」
「うん…なんか嬉しかったです。」
「はは…じゃあ…真穂…は?…」
そう言って頭をかく矢上君。
「……かっこいいです…可愛いです!!」
「…!!だから…可愛いわぁ…変だって…。」
「可愛いです!!」
「ハァ…。」
…そういえば…いっぱいしゃべるようになったかも…。
…矢上君の笑った顔を見てうれしくなった。