「あっ…、天野くん?私ならここにいるよ?」


やっと来てくれた天野くんに少しだけ動揺してしまった私。

そんなに焦る必要ないよね。


「あっ!小桜先輩っ!お待たせしてしまって申し訳ないです…。」


待ったのだけれど、時間にして約10分程度。

気にするほどの時間じゃない。


「大丈夫だよ。まだ、来たばっかりだし。」


そんなに謝らなくてもいいのになぁ。


それにしても礼儀正しい子だなぁ。


「僕がお願いして先輩と一緒に弾かせてもらえるんですから!」


あ…。

一緒に弾く約束だったのか。

すっかり忘れてた…。