音楽室はとても静かでひっそりとしている。

この雰囲気が私の想いをよりいっそう大きくした。

早く天野くんの演奏が聞きたい!

私の頭の中はこのことで満たされている。


「1年生のホームルーム長引いてるのかな…。」

今の私にはたった5分がまるで1時間のように長く感じる…。

天野くんの演奏を頭に浮かべる。

そういえば、天野くんが弾いていた曲はどれも、私がここで弾いたことのある曲ばかり…。


それに…
「楽譜もないのに、1音も間違ってなかった…。もしかして、絶対音感?」


そうだったら羨ましいな。
私も何か1つくらい才能がほしかったな…。


「小桜先輩?もう来てますか?」