いやいや、これは夢だ

そうに違いない。

「何かの間違いじゃ…ないかな?」

私の演奏は上手くもなければ下手でもない、一番がっかりされる演奏なのに。


「いいえっ、間違いではありませんっ!確かに小桜さんですよ!」


もう、何でもよくなってきた。


何を言っても聞かなさそうだし。


「わかったよ…、私でよければ一緒に弾かせてもらうことにする…。」


仕方ないよね…。

あまりにもしつこいし。


「やったぁー!ありがとうございますっ!今日はもう遅いので、明日からお願いしますっ!」


ん?待って。

さっき気づいたんだけど、扉の陰から見てたみたいなこといってなかった?