ガガガガンッ!

火を吹くハンドガンから放たれるのは、しかし実弾とは言えない。

言い知れぬ危機感を覚え、翼で空気を叩く。機体を上昇させて回避したものの、通過した弾丸は衝撃波を伴っていた。

機体へ、ガタガタと振動が及ぶ。

「っ、なんだ。あの武器はっ……!?」

ゴーグルに表示される情報にはUN-KNOWNと表示されている。未知だと? ピュラクスの科学力でもわからない未知の武器?

その弾丸が、上昇する私目掛け追撃を仕掛けている。

目標のいる浮き島から数百メートルと離れているというのに、なぜここまで射撃が利く!?

あらゆる意味で、目標の所持しているハンドガンは驚異だ。

そして、そんなものを、この空域でこれ以上使用させるわけにはいかない。

「ヴァルヌス機、これより目標の駆逐に入る!」

必要のない報告を入れ、上空から一気に下降する。