† ヴァルヌス



ピュラクス制空権内に謎のエネルギー体を発見したが、それは青年と幼女だった。

一応、ピュラクスへデータは送ったが……該当する住人はいない。

ならば、モンストルの手の者か?

まさかヤツらは、人型にまでなれるとでも?

私は軍人だ。思考は排除した。現在私に下っている命令は、正体不明の『エネルギー体』を迎撃すること。

躊躇はしない。

低空飛行に入りながら、両肩に装備されているガトリング砲を弾き出す。

全身装着式の飛翔の鎧――通称〝ゾフィエル〟のゴーグルが赤い十字カーソルで自動照準を合わせる。

と、青年の傍らにいた黒い幼女が消えた。青年の服が、同時に変わる。武装したのだ。

ピピピ

警告音は、

「! 銃か!」

青年がエネルギー体……ハンドガンを所持しているのを報せていた。